高齢になった親の健康状態は、子供にとって心配になるものです。
加えて「実家に帰ってみたら変な臭いがし始めた」「散らかり始めているのも気になる」と実家の臭いに悩んでいるなら、まず原因を探り対策を取っていきましょう。
この記事では、実家の臭いの原因をお伝えするとともに、消臭方法や業者を活用した解決法も合わせて紹介します。
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年々気になる実家の悪臭とその原因
久しぶりに実家に帰ると、家の臭いが気になることってありませんか?
家そのものに原因があるのか、はたまた両親の体になにかあるのかと気がかりになっている人もいると思います。
まず、臭いの原因を確認していきましょう。
掃除や洗濯の頻度が減っている
人間年を取ると体力が落ちるだけではなく気力も衰えます。そのため、掃除や洗濯の頻度が減り汚れが蓄積しているケースは少なくありません。
「まだ汚れていないから大丈夫」と同じ洋服を何日も着たり、「最近掃除機をかけたからまだ汚れていない」と、掃除を先延ばしすると汚れがどんどん蓄積して嫌な臭いを発生させる原因になります。
家の老朽化でカビ・汚れが蓄積している
家そのものが老朽化しており、水回りにカビが発生していたり、部屋のあちこちに頑固な汚れが蓄積されていたりすると、臭いのもとになることがあります。
動かせない家具と壁の間に埃が溜まり続けて、悪臭を発していることも古い住宅にありがちな問題です。
自分の体から発生する臭いに気づかなくなる
年を取ると加齢臭がするのは当然ですが、それ以上に深刻なのが、嗅覚が衰えて自分の体から発生する臭いに対して鈍感になるということです。
また加齢とともに起こりやすくなるのが、尿漏れと言うデリケートな問題です。自分でも気づかない尿漏れがあると下着、衣類、寝具にだんだん臭いが染みついていきます。
臭いを指摘してくれる人が近くにいない
高齢になった両親や一人親だと臭いを指摘する人が側にいないため、放置され悪化してしまうことがあります。
臭いに対する指摘は自尊心を傷つける可能性もあるデリケートな問題なので、親しい人や親戚の人であっても言い出しにくいという事情もあります。
いつもと違う様子があったら要注意
両親にいつもと違う変化はありませんか?別居しているとたまにしか会わないため、注意深く見るようにしてあげてください。
たとえば、こんなことがあったら臭いが悪化する可能性を秘めています。
冷蔵庫内に賞味期限切れの食品が増えている
実家の冷蔵庫を開けたら「詰め込み過ぎで驚いた!」なんて経験はありませんか?
何も高齢者だけではないのですが、冷蔵庫内の食品を管理して適切な順番で使い切るのはそれなりの工夫が必要になるものです。年を取るとだんだん調理が億劫になり、使い切れないまま賞味期限を過ぎてしまった食材が増えていきます。
特に生鮮食品や食べ残しの料理が忘れ去られていると、臭いの原因になりやすいうえ両親の健康状態にも悪影響を与えかねないため要注意です。
食品や日用品のストックが増えて雑然としている
冷蔵庫以外でも戸棚や収納ボックスに食品や消耗品のストックが増えていることも気にすべき変化の一つです。
使い切れないのにセールや通販で買い込んでしまうと部屋が雑然となり、ホコリが溜まっているというのもよくある話です。認知症の前触れとも考えられるので注意しておきましょう。
尿漏れしていても自分で気づかない
本人が尿漏れに気づいていないケースもあるので、そのような傾向があるかも注意深く見ておく必要があります。
「トイレに間に合わなかった」「出かけたいけど、トイレが気になってあきらめた」などの会話の中からでも、さりげなく状況を探ることができるでしょう。
親の機嫌を損なわずに臭いの悪化を伝えるコツ
デリケートな臭いの問題をまだ気づいていない親にどうやって伝えたらよいのでしょうか?
「お父さん、何かくさいよ」とストレートに言われて、傷つかない人はほぼいません。楽しみにしていた子どもの帰省なのに、その一言で険悪なムードになることだって考えられます。
久しぶりに帰省して臭いの変化に気づいたとしても、まずこっそり原因がどこにあるのか探っていくようにしましょう。
親の機嫌を損なわずに伝えるコツをご紹介します。
臭いの原因が体にありそうな場合ストレートに言うのはNG!
尿漏れが原因だとすれば「トイレに間に合わないとかはないの?」「今は、色んな排泄ケア用品があるから便利なのよ」などと簡単な話題から始めるとよいでしょう。
また尿漏れに関して男性はあまり話題にしたがらないので「恥ずかしいことでもなく、年齢とともに誰にでも起こりうること」という前提で切り出すと穏やかに話を進めやすいでしょう。
臭いの原因が家にある場合親を真っ向から否定するのはNG!
一方、臭いの原因がカビや雑菌・ペット臭・たばこなど家にあることもあります。
「掃除をしないからカビ臭い」「換気しないから臭いがこもるのよ」と親の行動を真っ向から否定すると売り言葉に買い言葉になるためNGです。
掃除や換気をしたくてもできない人もいますし、それほど部屋に臭い・湿気もこもっていないと感じていない場合もあるからです。
「カビは健康被害もあるから、今度水回りの掃除をするね」「ちょっと寒くても朝に空気を入れ替えると体にいいんだって!雑菌が増えないように湿気対策にもなるしね」などと体にプラスになることをそれとなく伝えてみませんか?
臭いの発生を抑えたい!場所ごとに応じた9つの消臭テクニック
臭いの発生を根本から抑えるには、家の中の場所ごとに消臭対策を行っていきましょう。
キッチン(冷蔵庫・戸棚・換気扇)
冷蔵庫内の整理をまず始めてみましょう。
賞味期限切れのもの腐っているものがあれば処分します。
重曹水を作り布巾にスプレーして庫内の汚れを取ります。重曹は洗浄効果のほかに消臭効果もあります。
戸棚も賞味期限切れのものやカビが発生しているものなどをまず処分します。食材のカスが落ちていることで虫がついたりカビが発生したりするのできれいに拭き取りましょう。
換気扇は、頑固な油汚れを落とすために漬け置きが効果的です。
水回り(トイレ・洗面所・お風呂)
水回りは排水口の臭いやカビの発生が起こりやすいところです。
目に見える部分はもちろんですが、目に見えない部分の掃除まで意識しておきましょう。排水口の洗浄剤をかけてから一定の時間放置することで、汚れが落ちやすくなります。
トイレは細かい形状になっているので掃除しづらいものです。特に高齢になるとしゃがんだり中腰になったりしづらくなるため、隅々まで掃除ができなくなります。便器だけではなく床・壁も帰省の際にきれいにしましょう。
また、以下のようなものを臭い対策に用意しておくと効果的です
- トイレ・・・消臭剤・掃除しやすいシート
- 洗面所・・・口臭ケア製品・入れ歯ケア製品
- お風呂・・・消臭機能のあるボディソープ
寝室・布団
まず両親が使っている寝室の換気を行いましょう。
大物のシーツやカバーを洗濯し、布団干しを行います。布団は臭いが浸透しやすいので、衛生面を考慮して買い替えるのもおすすめです。
家電製品(エアコン・洗濯機)
エアコンクリーニングをしないとカビや埃が溜まり臭いの原因となります。フィルター掃除をした際に臭いの有無も確認しておきましょう。
高い位置にあるので掃除をしたくてもできない場合があります。専門業者にエアコンクリーニングを依頼すればより一層安心です。
エアコン1台あたりの相場は以下のとおりです。
エアコンの種類 | 相場 |
掃除機能なしのエアコン | 10,000円 ~ 14,000円 |
掃除機能ありのエアコン | 13,500円 ~ 24,800円 |
防カビオプション | 無料 ~ 2,200円 |
また、洗濯機は目に見えない部分におどろくほどの汚れがついていることもあります。
浸け置き機能を活用して、しっかりと洗浄しましょう。
布製品(カーテン・ソファー・座布団)
カーテンは高い所にあり高齢の人は取り外すことが難しいため、帰省したときに洗ってあげてください。
布製のソファーも汚れやほこりが発生していることもあるので掃除が必要です。
ほかにも臭いがこもりやすいのが座布団やクッションです。臭いがすでにある場合は買い替えも検討しましょう。
古い畳
畳の臭いは換気したり、お湯をかけた雑巾で拭いたりすることで消臭できます。
畳の寿命は一般的な使い方だと20年なので、場合によっては業者による畳替えも必要になります。
先々介護が必要になった時を考えて、フローリングにしておくという選択肢もあるでしょう。
施行内容 | 1畳の相場 |
表替え | 約5,000 ~ 20,000円 |
畳の新調 | 約10,000 ~ 35,000円 |
ペット
犬や猫を飼っている場合には、その臭いが染み付いていることもあります。
ペット独特の臭いはなかなか取れないため、専用の洗浄剤を使うのがおすすめです。
衣服・靴
タンスやクローゼットに仕舞われている服は、湿気を持ち臭いを放つことがあります。また、防カビ防臭剤の定期的な交換ができていない可能性もあるので、帰省したときに交換を済ませましょう。
また、靴の臭いや足の臭いは高齢者に限らず気になるものです。靴箱の靴をすべて出して換気しましょう。消臭剤を使ってもよいですし、靴を磨いて乾燥させるのもありです。
観葉植物
比較的お手入れが楽な観葉植物ですが、虫やカビが発生する場合もあるので注意しましょう。
すでに枯れ始めているようなものは、処分することも考えましょう。
頻繁に帰れない時は専門業者の利用も検討する
掃除・消臭したいけど時間的なゆとりがなかったり、遠方に住んでいてなかなか帰ることができない場合は専門業者の利用も検討しましょう。
生前整理・家事代行の専門業者に依頼する
生前整理・家事代行サービスを利用する場合は、両親の理解が不可欠です。
「寝室やキッチンまで他人が入るのは嫌!」という人は少なくありません。いきなり家に業者が来ると抵抗感を持つのは誰でも同じです。
片付けや掃除を業者に依頼すると、短時間で確実に暮らしが改善することをメリットとして両親に伝えましょう。
一方、業者に依頼する場合費用がかかるのはデメリットです。
場所や間取りに応じた費用相場を知っておくと、自分の手に負えない部分だけを業者に依頼するなどして節約することもできます。
場所 | 相場 |
換気扇・コンロ・流し台・床 | 19,800円 ~ |
風呂・トイレ・洗面 | 23,000円 ~ |
2K~2LDK | 35,000円 ~ |
3K~3LDK | 40,000円 ~ |
4K~4LDK | 45,000円 ~ |
セキュリティー会社の見守りサービスの利用する
実家の臭いに気づいたら、親に何らかの変化が起き始めている可能性が高いです。そのまま放置し続けてゴミ屋敷化すると、自力で対応できない状況に陥り大きな費用がかかってしまうことも考えられます。
そんなときは、セキュリティー会社が提供している見守りサービスを検討してみるのもありです。
見守りサービスには以下のようなメリットがあります。
- ゴミ屋敷化を防止できる
- 家の中でケガをしたり、病気で倒れたりした時に駆け付けてくれる
- 親の変化にリアルタイムで気づくことができる
- 侵入者や怪しい人に騙されないための対策にもなる
見守りサービスはそれなりの費用が掛かるものです。しかし、離れている家族にとっては費用以上の安心感を得ることができます。
予防・対策としてぜひ検討することをおすすめします。
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