空き家を売却したり貸し出したりする場合、「どの業者に家財処分を依頼したらよいかわからない」「家財処分にどれくらいお金がかかるか心配」などの悩みを持っている人も多いと思います。
この記事では、家財を処分するときの業者の選び方と相場、少しでも節約して依頼するためのコツを解説します。
家財処分を業者に依頼することのメリット
家財道具というと、タンスなどの家具やテレビなどの家電といったものをイメージする人も多いと思いますが、実は家にある道具・器具・衣類のほかに、本や宝石などの小さなものまで家財道具に含まれます。
一軒家には小さなものから大きなものまでさまざな家財道具があり、自分だけでは対処できず業者に処分を依頼したいという人も少なくありません。
家財処分を業者に依頼するメリットはなんでしょうか?大きく分けると4つあります。
自分の時間を使わず手間がかかる搬出も不要になる
家財処分を自分で行うには、不用品の整理・搬出・運搬と手間がかかる作業を一通りこなす必要があります。
忙しい時間を縫って実家へ帰るだけでも大変という人も多いため、心身に対してかなりの負担が伴います。
サービス内容にもよりますが、業者に依頼すると整理から搬出・運搬までのすべての作業を代行してくれるため、時間がない人にとっては心強い存在です。
短期間で処分出来る
遠人に住んでいる場合、家財処分のために自分の時間を捻出して通わなければなりません。
休みを利用するなどしっかりとした計画を立てる必要がありますが、業者に処分を依頼すると短期間で集中的に処分できるため負担が減ります。
怪我や転倒などの危険な目にあわずに済む
家の中には大型の家具・家電もあるため、素人作業では怪我や転倒する恐れがあります。
たとえ知り合いにお願いするとしても危険な作業を任せるのは気が引けてしまいます。一方、専門業者なら大型の家具・家電の扱いに慣れているので安心してお任せできます。
買取に対応した業者を選ぶと費用の節約になる
業者に依頼するメリットは理解しているものの「費用が気になって決断できない」という人も少なくありません。
そんなときは買取にも対応した業者を選びましょう。
売却した差額で処分費用を補填できるため、節約につながります。
家財処分をお願いできる業者の種類と特徴
家財処分を業者にお願いすると色々なメリットがあることが分かりました。
では、具体的にどのような業者を選んだら良いか種類と特徴を見ていきましょう。
不用品回収業者
不用品回収業者は、家庭で不用になったベッドやタンスなどを訪問回収してくれます。
自宅まで回収に来てくれるので手軽に依頼できますが、自治体のゴミ収集に出すよりも割高です。
自分たちで不用品の仕分けはできるけれど、処分をどうしたら良いのか困っている人におすすめです。
不用品回収業者の対象品目・見積もり
回収してもらえる品目は、以下のような家具・家電など一般家庭で使われているもののほとんどです。ただ、医療器具類や危険物に当てはまるガソリン、庭にある土・石・砂は回収できないので注意をしてください。
- 家電リサイクル対象品
- 生活家電
- 日用品・生活用品
- 子供用品
- 家具
回収費用は業者によってかなり幅があります。見積もりを依頼する際は、以下の点を充分に確認しましょう。
- 家財一つずつでも見積もりを出してもらえる
- 部屋の大きさ・処分品の重さ・段ボール箱数で見積もりを出してもらえる
不用品回収業者とのトラブルに注意
不用品回収業者によっては、以下のようなトラブルもあるので注意が必要です。
- 見積もりがあやふやで法外な請求をされた
- 一般産業廃棄物処理の資格を持たずに不法投棄していた
「大音量で回収の宣伝をしているけど本当に無料?」「空き地で回収している業者に持ち込んで良いの?」「チラシが入っていたけど依頼しても良いのか不安」など色々な不安が付きまとうことも多いと思います。
本当に信頼できる業者かどうかはインターネットなどを使って、「一般廃棄物収集運搬業許可」を所持しているかや市町村から委託されているかをチェックしてみましょう。
ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物収集運搬業許可」や委託が必要です。「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できません。産業廃棄物処理業許可は、工場や企業の廃棄物を処理するための許可です。古物商の許可は、中古品等の売買を行うための許可です。
出張買取対応のリサイクル業者
実店舗を持ちながら出張買取に対応したリサイクル業者は、移動手段の都合で持込ができない人でも気軽に利用できるのがメリットです。
店舗によって買取品目に差がありますが、一度に処分したいのであれば大型店の方がおすすめです。大型店になればなるほど買い取った品を太い流通で流すことができるため、他で買取不能だったものでも処分できる可能性が高くなります。
大型店は、ハードオフやトレジャーファクトリーなどが代表的です。
一方、リサイクル業者の対応エリア外だと訪問買取ができないため、事前にエリア内であることを確認しておきましょう。
リサイクル業者の対象品目
買取品目のジャンルは幅広いため、代表的なものをいくつか挙げます。
- 衣料
- バッグ
- 時計
- ポーチ
- 和服
- ギフト品(タオル、シーツ、陶器、漆器)
- インテリア品(置時計、つぼ、額)
- ブランド品、貴金属(金、プラチナ)、家具
- アウトドア用品
- スポーツ用品
- 楽器
- ホビー用品
- 雑貨
大抵のものは買取対象になるため、とりあえず無料査定だけ受けてみるのもおすすめです。
製品の製造時期・状態によって買取不能なものが決まっています。自分だけで判断するのは難しいですが、出張査定なら手間もかからず気軽に依頼できます。
宅配買取サービス
ネットで手軽に宅配買取サービスを利用できる業者です。
買取品目に特化した専門業者を選ぶと高く売れる可能性があり、近くにリサイクル業者がいないという人でも利用しやすい点はメリットです。
宅配買取サービスの対象品目
店舗型のリサイクル業者を利用しづらい人やジャンルの専門的な買取を利用したい人などにおすすめの方法です。こちらも総合ジャンルのリサイクル業者と同様に製造時期や状態によって買い取ってもらえないものがあります。
- 家電
- 楽器
- カメラ
- オーディオ
- ホビー用品
- パソコン
- スマホ・タブレット
- 自転車
- 電動工具
- ブランド品
- 時計
- 美容機器
- カー・バイクのパーツ
- スポーツ用品
- 農機具
- 金・プラチナ
生前整理・遺品整理業者
生前整理と遺品整理の両方に対応した業者は不用品の回収から清掃、遺品の仕分けまで請け負うことができる点がメリットです。
遺品査定士の資格を持ったスタッフがいれば買取にも対応していることが多いため、節約しながら一気に片付けをしたい人におすすめです。
生前整理・遺品整理業者の費用相場
間取りに応じた生前整理・遺品整理業者の費用相場は以下のとおりです。
間取り | 料金相場 |
1R・1K | 30,000円 ~ 80,000円 |
1DK | 50,000円 ~ 120,000円 |
1LDK | 70,000円 ~ 200,000円 |
2DK | 90,000円 ~ 250,000円 |
2LDK | 120,000円 ~ 300,000円 |
3DK | 150,000円 ~ 400,000円 |
3LDK | 170,000円 ~ 500,000円 |
4LDK以上 | 220,000円 ~ 600,000円 |
業者によって異なる家財処分の相場
家財処分を業者に依頼する場合、費用がどれくらいかかるのかを気にして決断できないこともあるのではないでしょうか?
家財処分にかかる費用はトラック単位・部屋の間取りに加えて、作業の状況や内容によっても異なってきます。
「〇トン〇円」の記載で知っておきたい積載量
家財処分にかかる費用は、以下の項目に対して算出されます。
複数業者から見積を取ってみると数万円から数十万円と、思いがけない差が出ることもあるため費用の内訳はしっかり覚えておきましょう。
- トラックの車両費
- 人件費
- 処分費
費用の目安は1立米あたり、8,000円から15,000円です。
「2トン45,000円」のプランの場合でも、丸々2トンまで使い切ることはあまりありません。家庭から出る不用品や粗大ゴミは、コンクリートや産業廃棄物と違い重量が軽いため、せいぜい1トン程度になるからです。
8,000円から15,000円と幅があるので、「できるだけ安いところを選びたい」と思うのも当然ですが、追加料金があると逆に値が上がる業者もあるため、プランの内容は必ずチェックしておきましょう。
追加料金がかかるようなケース
- 3階以上で階段から降ろす作業が必要な場合
- トラックを家の側に寄せられない場合
- 吊り降ろし作業や解体作業が必要な場合
処分業者を選ぶ時に抑えて欲しいポイント
家財処分を依頼するなら、業者を選ぶ時のポイントをしっかりと抑えておきましょう。
「料金設定があいまいで不当な請求をされた」「自分の家のゴミが不法投棄をされた」などのトラブルを防ぐためにもぜひご覧ください。
無料で見積もりができる
明確な料金設定で納得出来るプランが提供されていることを確認するため、無料の見積もりは必須です。
業者によって料金の算定方法は異なるためしっかり確認するとともに、受け答えが適切か、怪しいところがないかも慎重に見極めましょう。
ホームページの情報が分かりやすい
電話で問い合わせだけでは、今ひとつプランの全貌はわかりづらいものです。
自分に必要なサービスを見極めるためにも、ホームページがしっかり用意されており、また掲載されている情報がわかりやすいところを探しましょう。
また、あわせて一般廃棄物収集運搬業許可や古物商許可を所持しているか、遺品整理士・遺品査定士の資格を持ったスタッフが在籍しているか、などもチェックすると良いでしょう。
買取不可品目の回収費用が明確になっている
不用品の中には当然買取ができない品目もあります。
処分するための費用が事前にある程度わかっている業者は信頼できます。逆に買取可能な品目の金額だけしかわからない業者では、処分費用が発生した場合にかえって損をしたということにもなりかねません。
古物商許可・一般廃棄物収集運搬業許可の資格を持っている
近年無許可で家財を収集し、不法投棄を行っている業者の存在が問題になっています。
悪質な業者を見抜くためにも、一般廃棄物収集運搬業許可の資格を持っていることは必ず確認するようにしましょう。また、買取を希望する場合は古物商許可のチェックも欠かさないようにしてください。
おわりに
この記事を通して、不用品回収業者やリサイクル業者、買取業者、生前整理・遺品整理業者について理解が進みましたでしょうか?
「この業者に依頼して良かった」「思いがけず買い取ってもらえた」と満足するためにも、今回解説したコツをぜひお役立てください。