「実家にある本を処分したい」「帰省にあわせていらない本を整理したい」と実家の本を何とか処分したい。そんな悩みを抱えている人は決して少なくありません。
ハードカバーや文庫本、新書、専門書などたくさんの本が所狭しと並んでおり、自分一人では簡単に手が付けられないこともありがちです。
この記事では、実家の本を処分するための段取りと注意点、処分方法などを詳しくまとめていきます。
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最初に実家の本を処分するための注意点を知る
大量にある実家の本を処分するにあたって、まず作業の注意点を知っておきましょう。

両親が高齢の場合本の処分に時間がかかる
一冊一冊は軽いのに何冊か集めると非常に重くなるのは、本を捨てる上で大きな悩みの一つです。
体力が衰えて足腰が弱ってくると単行本や専門書などをまとめて処分することが困難になります。
また、気力が衰えると本を処分しようという気持ちすら湧かなくなり、存在すら忘れてしまった本が家中のあちこちに眠ることになります。
そんな状況で一気に本を処分しようと思ってもうまく行かないことは容易に想像できますよね。
まずどれくらいの本があるかを簡単に把握するところから始めましょう。
別居している場合本の処分に充てられる時間は短い
別に家を建てて暮らしている場合、帰省した時に本を処分する余裕はあまりないと思ったほうがよいです。
本を処分するには、捜索、分別、搬出と手間のかかる作業を繰り返し行う必要があります。想像するとわかると思いますが、せっかく実家に帰っているのに、ほとんど作業で終わってしまうというのは誰しも避けたいところです。
また、車を持っているのであれば多少楽に搬出することができますが、持っていない場合は捨てるのにかなり苦労することが予想されます。
実家と身分証の住所が違うと問題になる
搬出にかかる手間を減らすため、「宅配買取サービスを使おう」と思うかもしれません。
宅配業者の基本的な仕組みは、本人確認書類のコピーと買取申込書を本と同梱し、宅配業者を使って送ることです。買取業者に本が届くと査定が行われ、買取金額に同意すれば指定の口座に振り込まれます。
ここでネックになるのが、買取を依頼する本人の身分証明書に書かれた住所と実家の住所が異なる場合があることです。宅配業者のほとんどは本人確認書類と発送先の住所が一致していることを原則としており、不一致の場合は買取を拒否される可能性があります。
この住所確認は買取業者によって、バラツキがあり調べた限り以下のようなパターンがありました。
買取業者名 | 自宅以外の集荷の対応状況 |
ブックオフ | 自宅以外の集荷先指定可能 |
リコマース | 初回は身分証に記載の住所のみ・2回目以降は別の住所でも可能 |
エブリブックス | 集荷は可能だが本人限定受取郵便を発送後からの査定になる |
買取王子 | 初回は身分証に記載された住所のみ・2回目以降は別の住所でも可能 |
ブックサプライ | 初回は身分証に記載された住所のみ・2回目以降は別の住所でも可能 |
もし宅配買取を初めて利用するのであれば、一度自宅の住所で利用してから、実家での集荷に変更してみるのもひとつの手です。
ただし、集荷時間は業者の都合で制限されていることが多いため、時間に余裕がないようであれば、指定時間を確実に守ってダンボール配送・集荷をしてもらえるような業者を見極める必要があります。
捨てずに残す本を決めて断捨離する
中古本でも価値のあるものは捨てずに取っておく方法もあります。
後述する売れやすい本や価値のある本の種類を事前に把握しておくと、みすみす無駄にしてしまうことを避けることができます。
また親が愛読していた本、趣味の本、専門書などもあるかもしれません。すべてを捨てなければならないと思わず臨機応変に進めていったほうがスムーズに断捨離できます。
本を処分する5つの方法とそれぞれの特徴
本を処分するときの注意点を理解したら、いよいよ本の処分を始めましょう。
ここからは、本を処分する具体的な5つの方法とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
負担の軽さ・処分の早さ・お金の負担を抑えると言った観点でどの方法を選んだらよいか考えてみましょう。
自治体の古紙回収に出す
自治体の古紙回収を利用すれば、指定日にまとめて本を出せます。
しっかりと紐で結んで出すだけなので、車を持っているか回収場所が近くであれば比較的負担も少なく済みます。
メリット
自治体が用意している古紙回収所へ持ち込むだけなので、お金がかかりません。
デメリット
大量にある場合でも、自分で古紙回収所まで持ち込む必要があります。また、指定日が月に1回しかないこともあり、帰省のタイミングに合わないこともあります。
近くの古本屋さんに持ち込む
もし、近くに古本屋さんがあれば本をまとめて持ち込むとお金になる場合があります。
メリット
その場で古本屋さんが査定を行ってくれます。ネットを利用した買取依頼が苦手だったり、気が向いたときにまとめて処分したい場合に便利な方法です。
デメリット
大量に本がある場合や混んでいる場合には、査定まで待ち時間がかかることもあります。
宅配買取や出張買取を利用する
もっと手間を省いて処分できるのが宅配買取や出張買取です。
自宅にいながら本の買取を依頼できるため車を持っていないような人でも手軽に本を処分できます。
宅配買取の基本的な流れは、梱包用ダンボールの配送、箱詰め、集荷、査定、振り込みです。配送時の送料は業者が負担してくれることが多いため、気軽に試すことができます。
メリット
宅配便で送るだけなので、店舗へ持ち込む場合と比べるとかなり楽です。
また、大量の本があってもその場で待つことなく査定を受けられるので便利です。
デメリット
梱包までは自力で仕分けをしなければならないので、それなりに手間がかかります。査定額に同意せず返送してもらう場合は、送料を負担することが多いので注意が必要です。
一方、出張買取は業者が家まで来て査定を行ってくれます。その場で納得が行けば即現金化できる方法です。
メリット
梱包が不要で、自宅まで業者が来てくれるので手間がかかりません。目の前で査定、現金化ができるので便利です。
デメリット
出張可能な時間枠が決まっているため、実家へ戻るタイミングを一致させる必要があります。また、買取可能な最低限の冊数を満たす必要があるため、それを満たすようにあらかじめ確認が必要です。
ネットオークションやフリマアプリで販売する
もし、自分で値段を決めて売りたいならネットオークションやフリマアプリが便利です。
ヤフオクやメルカリなどでの販売経験がある人ならすんなり出品できるでしょう。
メリット
自由に値段を決めることができるため、他の方法と比べ高く売れる可能性があります。
デメリット
ネットオークションやフリマアプリは、本の写真を撮影したり説明を書いたりと細々とした作業が必要になります。
買い手が見つかるまでに時間がかかることもあり、配送も自分でやらなければならないため時間がない人には向きません。
生前整理・遺品整理などの専門業者に依頼する
家具・家電など本以外にも片付けたいものがある場合は、生前整理や遺品整理などを請け負う専門業者に依頼する方法もあります。
例えば、施設に入居するため今住んでいる家を引き払う場合や遺品整理で実家を片付けたい場合などに向いています。
メリット
本だけではなく他の不用品や粗大ゴミも回収してもらえるため、実家を一気に整理したい場合は便利です。
デメリット
色々なものを片付けてもらうためにそれなりの費用負担になります。本以外の物も合わせて処分をしたいと考えている場合には向いていますが、本だけを依頼する場合には不向きです。
売れやすい本・売れにくい本の違い
本を実際に売る時に気になるのは「いくらで売れるのだろう?」「本当に値がつくの?」だと思います。
本にも色々種類がありますが、ある程度売れる・売れないは傾向があります。
値が付きやすく売りやすい本
基本的に古書でも特別な価値があるもの以外は、値がつきづらい傾向にあります。
売りやすい本としては、新しい本で話題性のあるものがおすすめです。たとえば、有名人が書いた本、お金に関する本、節約本、ダイエット本などです。
実家にある本の中に新しいものがあれば、ほかの本とは分けて積極的に買取に出したいところです。
値が付きづらく売れにくい本
ほとんどの本にはISBN番号「ISBN×××-×-×××××-×××-×」がついていますが、極端に古かったり自費出版の本にはISBN番号が付いておらず、値段が付かない場合があります。
自費出版はさておき、「どうして古い本だと価値がないの?」と思うかもしれません。
その理由は買取業者がISBN番号で本の相場を調べていることにあります。市場に出回らない本は買取額の基準がないため、価値をつけることができないというわけです。
ただし、町の古本屋など個人で目利きを行っているところでは値段が付く可能性もあるため、「これは」というものが持ち込んでみるのもありです。
本の状態も確認をしておくようにしましょう。日焼けや傷み、シミ、破れやタバコなどの臭いがあるもの場合も買取不可です。また本に付属しているCDやDVDが欠損していると同様に買取できない確率が上がります。
以外にも価値がある本
古書店でも専門書に特化したネット専門店があります。
以下のような本は以外に価値があるので、条件に当てはまるものがあれば相談してみるとよいでしょう。
古本は地元の図書館に寄贈できる?
一見価値がありそうな本を見つけた場合、最寄りの図書館に本を寄贈することを思いつくかもしれませんが、受け入れてもらえるかはその図書館の状況によりまちまちです。
図書館のスペースにも限りがあり、多くの図書館では古いものを閉架書庫へ移動したり、定期的にリサイクル本として利用者に配布しています。寄贈本を蔵書として扱うのは、全体の1~2割ほどというデータもあるため、あまり期待はしないほうがよいでしょう。
なお、図書館にリサイクル本のコーナーが設置されていれば、希望者に無料で寄贈本を配布している可能性が高いため「捨てるよりまし」と思うのであれば、一度問い合わせをしてみるとよいでしょう。
ちなみに以下のような本は、まず寄贈できないので注意してください。
- 汚損・破損・書き込みがある
- カバーが無い
- 学習参考書
- 古い百科事典
本に紛れて大切な物を捨てないように注意する
意外とありがちなのは本棚や本にお金や権利証などの貴重品が紛れているケースです。
古本業者が丁寧に貴重品を返してくれるとは限らないため自分の責任で事前に確認しておく必要があります。
たとえば、本の間にお金や書類が挟まっていないかをチェックしましょう。
ほかにもしおりであったり、写真など思い出の品が挟まっていることもあります。特に親が買った本で年数が経過しているものは本人すら挟んだことを忘れている場合が多いので注意する必要があります。
本棚の奥に通帳が残っていた!
筆者が経験したことですが、遺品整理の際に本棚の奥を見ていると通帳が出てきたことがありました。本人すら忘れているものが出てくるケースは多いので、長年保管していた本棚やボックスの中には十分気を配るようにしましょう
おわりに
今回ご紹介したように実家にある大量の本を処分するには、いろいろな方法があります。
その中から自分にとってメリットが大きい方法を選び、場合によっては複数の方法を組み合わせることでスムーズに進むようになります。
実家の本に悩んでいる場合は、ぜひ試してみてださい。