断捨離をする上で避けて通れないのが「捨てる」ことですが、捨てることに罪悪感を感じたり、もったいないという思いから「売る」という選択肢を取りたくなる時もあると思います。
現代は、フリマアプリやオークション、買取サービスなど個人で簡単に売買ができる時代です。
スッキリとした暮らしを実現するためになぜあえて「捨てる」ことが重要なのか。今回はその理由について解説します。
またどうしても捨てられないという人に、おすすめの売り方もあわせて紹介します。
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「売る」と「捨てる」の違い
まず、大前提として「売る」と「捨てる」には違いがあります。
ご存知の通り、断捨離で言うところの「捨てる」とは不要な物として自分の手元から手放す。という意味です。
もっと具体的に言うと「ゴミとしてゴミ袋に入れ、ゴミステーションに持っていく」という手順を踏むことになります。
そして断捨離において「売る」とは代金と引き換えに物や権利を他人に渡す。ということです。
「売る」をつい選びたくなるのは対価としてお金が受け取れる点と物が他人の手に渡り、物として再度活用されるので罪悪感が少ないからと言えるでしょう。
ただし、売る場合は捨てるより手順が増え、時間や手間がかかることは避けられません。
断捨離で「売る」を選ぶデメリット
つい「売る」という選択肢を選びたくなりますが、様々な「売る」方法全てに共通するデメリットがあります。
手間と時間がかかる
売るためには様々な方法があります。
しかし、どの方法を選んでも「その場で売れて完結」ということにはなりません。
売ろうと決めてから実際に売れるまでタイムラグがある上に服であれば再度洗濯したり、きれいにたたみ直したりと手間と時間がかかります。
思ったほどお金にならない
「これだけの物を売ったらそこそこのお金になるだろう」と算段していても、よほどブランド物や希少価値の高い物でなければ高値はつきません。
フリマアプリでは送料を負担したり、フリーマーケットでは出店料や商品を搬入する際の交通費がかかったりと「売る」ために費用が発生するので、純粋な売上金額はさらに少なくなります。
結局片付かない
部屋を片付けるために断捨離を始めたはずです。
しかし「売る」ことを選ぶと次のような理由から本来の目的である「片付け」から遠のいてしまいがちになります。
判断基準が多いと断捨離のスピードが落ちる
「必要」「捨てる」「リサイクルショップに売る」「フリマアプリで売る」・・・、こんなにたくさんの選択肢がある判断をしていると、当然人間の脳は疲れます。
判断するということは非常に疲れる作業です。その労力の割に全体を見ると全然進んでない・・・、とせっかくのやる気が削がれることになりかねません。
断捨離を始めたばっかりや量が多い時はまずはシンプルに「いる」「いらない」の2択で進めていく方がベストです。
売れないと片付かない
フリマアプリに出品して売れるのを待つ。その間部屋には出品した商品が使われることなく置きっぱなしに、という経験はありませんか?
まだ使えるし、売れたら多少はお金になるからという理由で、筆者も部屋の一角にフリマサイト出品用の服の山が出来ていたことがあります。
出品するにも時間がかかるのでなかなか手を付けず、出品したら売れるまでずっと服が置きっぱなし、結局いらない物を集めて場所を移動しただけという状態がしばらく続きました。
また、自分がいらない物がそう簡単に売れる訳もなく結局片付きませんでした。
フリーマーケットに出品しても売れ残ったものは、行き場をなくしてそのまま・・・ということになりがちです。
心の重荷が増える
フリマアプリに出品するための服の山を見るたびに「撮影して、説明文を書いて、早く出品しないと・・・」と常に追い立てられる様な気持ちになります。
「売れたお金で〇〇を買おう!」と当初思っていた楽しい気持ちは吹き飛び、見るたびにネガティブな気分に。
思い切って処分すると、空間がスッキリ!想像以上に気分もスッキリします。
いつまでも手を付けない自分に対する後ろめたさや山になるほど不要な物を溜め込んでいた自分から開放されるには一気に行動することが大切です。
「捨てる」を選ぶと大きなメリットがある
断捨離の時にきっぱりと「捨てる」を選択できるようになるには、まず何のために断捨離をするのかと原点に戻って考えることが重要です。
きれいな部屋で快適に過ごすことができる
大抵の人が断捨離をする理由はこれではないでしょうか。
「売る」を選ぶと売れるまでの間、不用品を抱えることになり、また全て売れるとは限りません。
快適な部屋を作るためにはその場で不要な物をどんどん家から出して、家の中の風通しを良くすることが重要です。
それを叶えるために「捨てる」という選択肢は非常に効果的です。いらない物をまずは捨てる。するとぎゅうぎゅうだった空間がすっきりとしてきます。
物が多すぎて行き場を失っていた物も最適な収納場所ができ、生活の動線も作りやすくなります。
掃除の手間を減らすことができる
物が少ないと片付け・掃除が非常に楽になるのはみなさんご存知だと思います。
机の上にダイレクトメールや飲みかけのペットボトルが散らばっている状態で机を拭くのと何もない状態で机を拭くのでは労力が違いますよね。
たったそれだけのことと思いますが、生活は「たったそれだけのこと」の積み重ねです。
小さなストレスを減らすことは、生活の質を上げるための地味ではありますが効果的な方法です。
どうしても捨てることができない場合
どうしても捨てることに抵抗がある人、また高価だったりまだ使える状態の物に対しては以下の方法をおすすめします。
人に譲る
これはあくまですぐに譲る相手がいる場合です。
「誰かもらってくれるかな~」程度のものだとまた譲る相手を探すための手間と時間が発生してしまいます。
例えばベビー用品であれば、最近子どもが生まれた〇〇さんに。と顔が浮かぶ相手がいれば譲るを選ぶと良いでしょう。
我が家はサイズアウトした子ども服は近所の子育て支援センターの「譲ります」コーナーに寄付しています。
まだきれいな物を捨てる罪悪感を感じずに部屋がスッキリするのでおすすめです。近所でまだ使える物を受け入れてくれるところがないか、一度検索してみて下さい。
売る際の手間や時間を時給換算する
売ってお金を得るために、時間や手間が費やされています。「売る」ために費やした時間や手間を一度時給換算してみて下さい。
筆者もいらない服をリサイクルショップで売ろうと思い、服を集め、少しでも高値が付くように毛玉をとり、きれいにたたんで売りに行った経験があります。ファストファッションの服と言えどもまだきれいな物ばかりだし・・・と少し期待していましたが、ついた値段は100円以下。
準備にかかった時間は2時間。時給換算すると10円です。そこまでしてお金に換える必要があったのか。時給だけでなくかかった2時間があれば他にもっと家事をしたり、趣味に時間を費やしたりできたはずです。
価値がある物を売りたい場合はどうするか?
今は個人でも手軽に売る方法が沢山あります。
捨てることが最適だとわかっていても価値がありそうなものは売ってみたいという人は次のような方法を選んでみましょう。
フリーマーケットで売る
フリーマーケットで売り買いしたことがある人も多いのではないでしょうか。個人で物が売ることができる昔からの方法です。
- 開催されるフリーマーケットを探して申し込む
- 出品する物に値段をつける
- お釣りや売れた際の袋を用意する
- 当日、売るものを搬入し、並べる
- 売れ残りを持ち帰り、整理する
大まかにいうとこのような流れになります。
服やおもちゃ、食器や本など食品以外の物であればOKという場合が多いため、家の不用品をジャンル問わず一掃したい人におすすめです。
フリーマーケットは不要な物を安く売り買いする場なので、あまり利益は気にせずお客さんとのコミュニケーションを楽しみたいという人にもおすすめです。
ネットオークションやフリマアプリで売る
こちらは比較的最近出てきたサービスで、個人間で簡単に売買ができるため人気です。
- 売りたい物を撮影し、説明文をつけ出品する
- 買いたい人から問い合わせにメッセージで対応する
- 梱包し、発送する
サービスの謳い文句通り簡単なステップで売ることができます。筆者も過去に利用したことがありますが、ブランド物や新品などは割といい値段で、しかも即日に売れたりしました。
ただし、古着やどこにでもある物は値段を下げても売れることなく残り続けたので、自分にとって不要な物は、やはり他人にとっても不要であるということは頭に置いておいた方が良いかもしれません。
一定の期間以内に売れなければ、捨てるというルールで利用するのがおすすめです。
不用品買取・リサイクル業者に売る
こちらも昔からある方法で、リサイクルショップに持ち込んだり、訪問買取で売るという方法です。最近は家から出ることなく、ネットでの宅配買取サービスを利用する人も増えています。
自分で持ち込む方法の流れは皆さんご存知だと思いますので、今回はネットでの買取サービスの流れをご紹介します。
- ネットで買取サービスに申し込む
- 業者から梱包用の段ボールが届くのを待つ
- 段ボールに売りたい物を梱包し、発送
- 査定してもらい、その金額でOKならば買取成立
- 買取金額に納得がいかなければ、段ボールを返送してもらう
自宅ですべての作業が完結するので、時間がない人や大量の服や食器などかさばる物の処分を一括処分したい場合におすすめです。
おわりに
まず大切なのが「何のために断捨離してるか」ということを常に頭に置いておくことです。
少しでもお金にかわればという思いから本来の目的を外れて、売ることが目的にならないよう気を付けることが大切です。
まずは「捨てる」「残す」の2択で進めると断捨離の効果が早い段階で見えてくるので、加速度的に断捨離が進むという好スパイラルになります。
まずは今使っていない不要な物から断捨離を進めていきましょう。
でも「やっぱり捨てられれない」という人は、物に合った売り方を選んで効率的に断捨離を進めましょう。